【完】イケメン*眼鏡*ランデヴー
飛び交う蛍が、赤いオープンカーごと包み込むこの光景をしばらく堪能。



…でも、家に帰るドライブがまた地獄。



流石に虫がぶつかるから、と帰りだけは屋根を出してくれて、オープンカーはクローズ状態だけど。



「だ、か、ら!スピード下げろォォ!!」



「煩いですよ。ちんすこうは昼間澪が食べてしまいましたし…そうですね、庭のゴーヤーでも車に積みますか。」



え?ゴーヤー丸かじりさせるつもり!?灰汁抜きすれば超美味しいけど丸かじりとか苦いから!無理だから!



「丸かじりが嫌って顔してますね。それなら大丈夫です。穴は決してひとつではありませんから。」



よ………余計怖いわ!


永太がいつもの調子過ぎて、さっきキスされたのに全く意識する気が起きない。



っていうか、絶対こんな鬼畜に惚れてたまるか!



隣で黒い顔で何かを企んでいる永太の綺麗な顔に、良く分からない決意を心の中で叫んだ。
< 78 / 248 >

この作品をシェア

pagetop