君のイナイ季節

ラストクリスマス

「クリスマスイヴ、家に来ない?」



拓海くんからの、意外なお誘い。

てっきり2人で出掛けると思ったのに。

「スタッフのみんなで盛大なパーティーをするんだって。母さんが真由ちゃんに料理作るのを手伝って欲しいって」

私は頷く。

それなら、問題ない。

お店の皆さんにはお世話になっているし。

「じゃあ、バイクで迎えに行くから」

「バイクで?」

私はGWの嫌な出来事を思い出して頬を膨らませる。

拓海くんは笑って

「大丈夫、ゆっくり走るから」

と、いうわけで久しぶりに拓海くんの後ろに乗る事になった。



でも。

2人だけで過ごしたかったとも思う。

何だか複雑だな…
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