君のイナイ季節
クリスマスイヴ当日。

学校の終業式が終わって一旦、家に帰ると拓海くんは私を迎えに来た。

私は久しぶりに拓海くんのバイクの後ろに乗る。

風は突き刺すように冷たいけど、私は拓海くんの体にしっかりと抱き着いた。

街は人でごった返していて、道路も混んでいるけれど、スルリ、とすり抜けをしていく。

やっぱり上手いなあ!

バイクの扱い方がますます上手くなったのではないかと思う。

私は安心して拓海くんの背中にもたれ掛かった。
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