超企業
コツコツコツコツと、階段を登る。
榊薔薇さんは相変わらず無口な様子だ。
と、階段を登った先には太陽の光がさす地上だ!
なんかめちゃくちゃ久しい太陽の光だった。
まだ4月の始まりなので、外は少し寒かった。
僕が伸びしてると、
「ねえ、秋山君。」
そう話しかけてきた榊薔薇さん。
「車、運転してね。私運転できないから。」
へえ、エリートに見えて車の免許ないんだ。
僕達は外にでてちょっと歩いたところにある仕事用の車に乗った。
仕事のときにのみ使用が許可される車だった。
「あのさ、榊薔薇さんは怖くないの?」
シートベルトをつけながら僕は話しかけてみた。
「なにが?」
相変わらず薄い返しだ。
「え?いや、この企業の三人が亡くなったことや今回の事業とかさ…。怖いでしょ普通に。」
「まあ、こわいかもね。でもそれくらいこの会社に入る前から予測はしてたわ。あなたは違うの?」
「だってこれって、会社っていうより、ヤクザのレベルだよ。」
榊薔薇さんは呆れたように笑いながらこう言う。
「ふふ、ヤクザよりも早く大きく儲けられる企業なのよ?それ以上で当たり前じゃない?」
僕は絶句した。
確かに榊薔薇さんのいうことは正論だけど、それは本気で二兆円という数字を信じてなければできない覚悟だった。
でも昨日のパーティーの状況からして、二兆円を信じてないのは僕だけだったのかもしれない。
確かにヤクザが関係しているとなると納得ができる。
なぜなら三人も殺しておいて今朝のニュースで関連性のない三人の自殺と正式に公表させられる力があるのだから。