With 〜十字架と白薔薇〜





「どうぞ。」




「そ、そんな…」





美奈が横たわっている明里たちをむりくり起こし、扉に向かって押した。





「り、莉緒奈さん…」





私のことを見つめるその目は
まるで子犬のようだった。




「二度とその面見せんな。」




ガシャン




扉が閉まる。




静まり返った倉庫の空気。




私と菜々、美奈、琴美は
部屋に戻る。





すると、慣れたように
またいつもの空気に戻った。










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