With 〜十字架と白薔薇〜
偶然の再会






あれから数日後。





私はあの不思議な1日のことを
忘れることはできなかった。





「莉緒奈って最近さ、常にぼーっとしてるよね。」





琴美がつぶやく。





「本当、どうしたのかしら。
莉緒奈ちゃんったら。」





伊織さんがそれに反応する。





私の耳にその会話は聞こえてなかった。





耳というより、頭かな。





いつもと変わらず
私たちは倉庫に集まる。





今日は土曜日。





1階には平日の2倍はいるんじゃないかってくらいの女の子たちで埋め尽くされている。





華凛に入る条件のひとつに、
どんなにだるくても
学校には卒業できる程度に必ず通う
というものがある。





このルールは私が作った。





馬鹿の集まりだと言われたくないから。





学校に行ってると、
やっぱりなかなか来れないから
土日はかなりの数が集まる。





ざっと…300かな。





新しい子はまだ顔と名前が一致しない。





< 76 / 127 >

この作品をシェア

pagetop