この運命を奇跡と呼ぶならば。
沖田は何気なく言ったのだがその言葉はチクリと小さなトゲが桜の胸をついた。
「…そうね、消えてなくなってしまいたい。」
「えっと、それ「お待たせしました。」」
どういうこと?沖田が最後まで言い切る前にいつもの娘が頼んだ物を運んでくる。
「沖田さん、今日はえらい別嬪さん連れてんのやね?…恋仲なん?今日は逢引きしてたりして!」
「いやいや、そうじゃなくて…。」
「そうよ、総司と私は別にそういうのじゃなくて。」
「ええんよ。照れんでも。あ、でもウチ的にはあの男前、連れて来て欲しかったわぁ。」
娘は否定する沖田や桜の声には耳を貸さず楽しそうに一人喋り続ける。
流石、年頃の女の子。どの時代でも恋バナは好きなもののようだ。桜は桜で年頃ではあるのだがあまりそういう類のものは苦手とするようで、ゆういつ例外だったらしい。
「男前、って桜くん?」
「当たり前です。あんな男前、ウチ見たことないですし。」