相容れない二人の恋の行方は

22 想像外の出来事が次々と

 朝から食材の買い出しに行こうと準備を済ませ部屋を出た時だった。
 あくびをし起き抜けだと一目見て分かる様子の新谷とばったり鉢合わせた。

「出かけるの?」
「はい……ちょっと、スーパーへ」
「じゃあついでにお願いしようかな。何か暇つぶしになる本買ってきてもらってもいい?」
「え……で、でも。書店は……スーパーとは逆方向……」
「ん?」

 確実に聞こえているのに聞こえないふりを決め込むのは昔から。何食わぬ顔をして私を見据える新谷の頬から口元までを覆うように当てられたガーゼを見て私はしぶしぶ頷くと、私は靴を履いて外へと出た。

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