相容れない二人の恋の行方は
壁に背中を打ちそのままどさっと新谷が床に落ちると、我を忘れて彼の元へと駆け寄った。弘毅さんは私たちの横を通り過ぎ部屋を出て行く。
「大丈夫!?」
頬は赤く腫れ、切れた唇からは血が出ている。夢中で手を伸ばすと、指先が頬に触れてしまった。
「……痛ッ」
「ご、ごめんなさい! でもどうしよう、手当しなきゃ。そ、そうだ、救急車……!」
「……落ち着けよ」
慌てふためいてパニックになる私を見て新谷は小さく吹き出した。そして自分の手を腫れた頬に当てると苦々しく顔をしかめた。
「……ははっ。初めて人に殴られた。結構……痛いんだな」
「なに……してるんですか……らしくない。らしくないですよ……」
初めて殴られた。その言葉通り、新谷が黙ってただやられるなんて。無抵抗で……
「いったい、なんのために……?」
声は震え、いつの間にか目には今にも溢れだしそうなほどにいっぱいの涙が溜まっていた。そんな私と新谷の視線が今までで一番近い距離で重なる。
「何のためって」
小さく呟いて口を閉じ、もう一度ゆっくりと新谷の口が開くと、今度はためらいなくはっきりと耳に響く力強い声で言った。
「真由子のことが好きだからだよ」
「大丈夫!?」
頬は赤く腫れ、切れた唇からは血が出ている。夢中で手を伸ばすと、指先が頬に触れてしまった。
「……痛ッ」
「ご、ごめんなさい! でもどうしよう、手当しなきゃ。そ、そうだ、救急車……!」
「……落ち着けよ」
慌てふためいてパニックになる私を見て新谷は小さく吹き出した。そして自分の手を腫れた頬に当てると苦々しく顔をしかめた。
「……ははっ。初めて人に殴られた。結構……痛いんだな」
「なに……してるんですか……らしくない。らしくないですよ……」
初めて殴られた。その言葉通り、新谷が黙ってただやられるなんて。無抵抗で……
「いったい、なんのために……?」
声は震え、いつの間にか目には今にも溢れだしそうなほどにいっぱいの涙が溜まっていた。そんな私と新谷の視線が今までで一番近い距離で重なる。
「何のためって」
小さく呟いて口を閉じ、もう一度ゆっくりと新谷の口が開くと、今度はためらいなくはっきりと耳に響く力強い声で言った。
「真由子のことが好きだからだよ」