相容れない二人の恋の行方は

29 本音

 遊園地を出てすぐに運良くタクシーを捕まえることが出来た私は、真っ直ぐにマンションへと帰った。
 鍵を開けて、一目散に自分の部屋に向かったけど、尋常じゃない喉の渇きを感じてすぐに部屋を出た。
 ダイニングへ行き冷蔵庫から飲み物を取り出すと、そのまま電気も付けずリビング奥へと向かう。壁一面の大きな窓ガラスにはきらびやかな夜景が広がっていて、電気をつけなくても部屋の中は十分に見渡せる。
 今の気分的に視界は薄暗いくらいがちょうど良かった。心が、落ち着くから。
 飲み物を一口飲み込んで、ふうと一呼吸つく。

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