相容れない二人の恋の行方は
「あのう……さっきの言葉、本気ですか?」
「んー?」
「学院継がない、とか……弁護士目指すとか……」
「うん、本気」
「勉強は……」
「三が日は実家に行かなきゃいけないから正月あけてからかな。ボク、結構やると決めたことになるとストイックだし勉強は嫌いじゃないから自信あるんだよね」
「……遊んでばかりいても不思議と頭がよかったのは知ってますけど。でも」
「その言い方失礼だな」
「……」
「強力な助っ人もいる。ボクのことは心配しなくてもい。真由子は元の職場でいつも通り生活していたらいいんじゃない?」
「……」

 助っ人って……?
 さっきまでぴったりとくっついて抱き合っていたとは思えないほど、急に感じる距離感。少しずついつもの調子に戻ってきた気がする。ちょっぴり寂しい気持ちは無視して、気楽だと思い込む。

「あ、そうだ」

 新谷はそう呟くと再び立ち上がり、何かを持って戻ってきた。
 そして私の手を引き抱き起すと、手に持った小さめの紙製の手提げを私に手渡した。

「これ。さっき言っていたクリスマスプレゼント」
「え……」

 なんだろう?
 中身の予想もつかず、軽い気持ちで中身をあけた私は、その品物を見て言葉を失った。

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