相容れない二人の恋の行方は
「あの……質問してもいいですか?」
「うん、なに?」
「ご両親や家族の方は……昨日、姿が見えないなぁと思っていたので……」
「両親も祖父もみんな仕事で家を空けてる。よくあることだよ。ちなみに、兄弟はいない」
「そうなんですか」

 会話をしているうちにあっという間に学院に着く。まっすぐに生徒会室に向かうと、生徒会長の金城さんをはじめとした生徒会のメンバーと思われる女性三人、男性二人の計五人が今から出かけようとしているところだった。
 新谷の姿に気が付いた五人が一斉に頭を下げた。

「新谷さん! おはようございます!」
「おはよう。今から出かけるの?」
「はい。秋に我が姉妹校から学院にやってくる交換留学生から臨海みなとパークに行きたいとの要望がきているので視察に」
「臨海みなと……? なにをするところ?」
「遊園地です」

 新谷を囲うようにして話が進む。私一人、蚊帳の外。現生徒会メンバーの視界にすら入っていないようだ。この隙にそっと逃げ出してみようか。そう頭の片隅で思った時だった。

「よし、ボクたちもついて行こう」
「ボクたち……?」

 新谷の言葉にやっと生徒会メンバーの視線がこちらに向けられた。金城さんは私を見て「あなたは……」と呟いた。
 新谷は私の隣に立つと五人に私の紹介をする。

「吉井真由子さん。春からこの学院に編入してきたんだ。みんな知っているだろう?」
「はい。それに、新谷さんの古くからのご友人でもあるんですよね」
「そうだよ」

 新谷は爽やかに微笑みながら頷いた。

「彼女、生徒会の仕事に興味関心があって、ぜひ、手伝いたいと自ら申し出てくれたんだ」
「……は?」
「だから遠慮せず、人手が足りなかったり困ったことがあれば雑用でもなんでも彼女に言ってもらえばいい」
「ちょ、ちょっと……!」

 すかさず新谷に抗議をしようとしたけど、「ほんとうですか! 助かります!」と生徒会長の金城さんをはじめとした五人が目を輝かせて喜んでいるのを見て何も言えなくなる。だから、せめて小声で。

< 27 / 194 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop