相容れない二人の恋の行方は
会社に戻ったのは夕方だった。
社長室まで社長に付き添い、一礼をして社長室を出ると、私を心配して落ち着かないのかエレベーター前で河本さんが待っていた。厳しくて、ときどきちくっとした嫌味を言われることもあるけど、いつも私の面倒を見てサポートしてくれる河本さんには感謝している。
「ちょうど私も今、出先から戻ったところなの。どうだった? ちゃんとやれた?」
エレベーターに乗り込み、今日の報告をしながら秘書課へと向かう。
秘書課につき、扉を開いて先に河本さんに中へ入ってもらい後からついて部屋の中へと入る。しかし部屋に入った直後に河本さんの足が止まって軽く彼女の背中に身体がぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい」
どうしたのだろう。急に立ち止まって。
私より背の高い河本さんに並んで前方を見渡すと、予想もしなかったその光景に背筋が凍りついた。 あまりの衝撃に息をするのを忘れてただただ目を見開いた。
私のデスクにイスを踏み台にして脚を組んで堂々と座り、入口、いや、私をじっと見据えているその人物は。
「やっと見つけた。よくもまぁ、逃げてくれたな」
涼しげな表情と瞳。感情の読めない淡々とした口調。それでも、私には聞こえる。内に秘めた怒りが沸々と燃える音が。
「しっ……! 新谷……っ!!」
「……」
無言のプレッシャー。あまりの威圧感にびびって、慌てて「君!」と付け加える。
間違いない。私の目の前に再び現れたのは、かつて逃げるようにしてその元を去った同級生。
あぁ、脳裏に地獄のようだった日々が蘇ってきて頭が割れるような酷い頭痛に襲われ……気を失った。そしてそのまま夢に見たのは、昔の、悪夢のような日々の出来事だった。
社長室まで社長に付き添い、一礼をして社長室を出ると、私を心配して落ち着かないのかエレベーター前で河本さんが待っていた。厳しくて、ときどきちくっとした嫌味を言われることもあるけど、いつも私の面倒を見てサポートしてくれる河本さんには感謝している。
「ちょうど私も今、出先から戻ったところなの。どうだった? ちゃんとやれた?」
エレベーターに乗り込み、今日の報告をしながら秘書課へと向かう。
秘書課につき、扉を開いて先に河本さんに中へ入ってもらい後からついて部屋の中へと入る。しかし部屋に入った直後に河本さんの足が止まって軽く彼女の背中に身体がぶつかってしまった。
「ご、ごめんなさい」
どうしたのだろう。急に立ち止まって。
私より背の高い河本さんに並んで前方を見渡すと、予想もしなかったその光景に背筋が凍りついた。 あまりの衝撃に息をするのを忘れてただただ目を見開いた。
私のデスクにイスを踏み台にして脚を組んで堂々と座り、入口、いや、私をじっと見据えているその人物は。
「やっと見つけた。よくもまぁ、逃げてくれたな」
涼しげな表情と瞳。感情の読めない淡々とした口調。それでも、私には聞こえる。内に秘めた怒りが沸々と燃える音が。
「しっ……! 新谷……っ!!」
「……」
無言のプレッシャー。あまりの威圧感にびびって、慌てて「君!」と付け加える。
間違いない。私の目の前に再び現れたのは、かつて逃げるようにしてその元を去った同級生。
あぁ、脳裏に地獄のようだった日々が蘇ってきて頭が割れるような酷い頭痛に襲われ……気を失った。そしてそのまま夢に見たのは、昔の、悪夢のような日々の出来事だった。