相容れない二人の恋の行方は
「真由子。せっかくのきれいな景色なのになんで目を閉じてるの? 海だよ、ここ」
「高いところが苦手なんです!」
「ここは地上だと思えばいい」
「それが出来れば高所恐怖症だなんて言いません!」

 正面に向かい合わず、対角線上に座った私たちを乗せた観覧車はゆっくりと頂上へと登っていく。
 絶叫系マシンに比べればまだ耐性がある高所。私はゆっくりと目を開いて、手すりにしがみついて震えながら、出来るだけ遠くの方だけに目を向けた。港の向こうには海が広がっていて、多くの船も見える。緩やかな動きと、のんびりと穏やかな風景に気持ちが少しずつ落ち着いてくる。

「ははっ、その格好。ムードのかけらもない」
「仕方ないじゃないですか……だいたい、なんですかムードって。……前から思ってたんですけど、いいんですか? 私となんかばかり遊んでいて」
「どういう意味?」
「彼女がいるじゃないですか」
「……あぁ、まなみのこと?」

 新谷は脚を組んで壁にもたれかかると、つまらなさそうに視線を外の景色へと向けた。

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