相容れない二人の恋の行方は

09 人生の分かれ目…?

 十八年間生きてきて、こんなにも月日が経つのを早く感じたことはない。春に編入してきて気が付けば秋が終わり冬になろうとしていた。
 本業である学業となぜか生徒会の雑用。そして新谷の暇つぶしの相手……毎日、息つく暇もないほどに忙しい。
 そんなほぼ無駄に時間を費やす日々を送りながらも、センター試験は一か月後に迫っていた。
 放課後に、新谷と待ち合わせることがほぼ義務付けられ毎日のように来ている講堂の一室。新谷より先にここへやってきた私はこっそりと、夏休み明けに新谷に極秘に受けていた模試の結果を見ていた。
 進学の選択肢は二つ。内部受験か外部受験。もちろん私は外部受験を希望している。こんな召使みたいな今の生活、大学にまで入っても続くなんて考えるだけでぞっとする。
 私が志望していた第一希望の大学は、正直今の学力では合格は厳しい。しかし第二希望の地方にある大学は今からでもがんばれば十分に合格できる位置にいる。この際、第二希望でもなんでもいい。新谷から逃れられることができるのなら、むしろ地方の大学の方が都合がいいくらいだ。

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