相容れない二人の恋の行方は

11 悪夢再び?

 社長の付き人に連れられてやってきたのは、駅近くの一等地にそびえ立ついかにも高級そうな高層マンションだった。
 厳重なセキュリティを抜けるとコンシェルジュのお出迎え。ホテルのような豪華なエントランスホールを抜け、その先にあるエレベーターホールも広々として三基ものエレベーターが横に並んでいる。自分には縁のない高級感漂う場所に来て、ここまでですでに心臓がバクバクと音を立てて胸が苦しい。
 エレベーターを降りたのは30階。ガチャっと重みのある音を立て扉が開くと広々としたすっきりとした玄関。その広い玄関の一番隅っこに靴を脱ぎ、付き人に着いて部屋に上がる。通路も広く、天井も高い。クロスや床材、ドアノブなどの細々とした装飾品も自分の家にあるものとはまるで違った高級感が漂ってくる。そして両サイドにある水回りであろう扉を過ぎた先の途中にある洋室へと案内された。

「こちらが吉井様の部屋でございます」
「は、はい……!」

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