相容れない二人の恋の行方は
新谷の背を追って彼が入っていた扉を開ける。勢いよく扉を開けたのはいいものの、一歩中に足を踏み入れたところで身体が硬直した。
ガラス素材、白、黒、グレーを基調としたモダンな雰囲気のインテリアで飾られた明るく広々としたリビングダイニングは、部屋の奥一面はガラスのカーテンウォール。一面に高層階から望む都心の大パノラマが広がっていた。足が震えてきた。何ここ……すごいマンションなのは一目見て分かるけど、私にとっては地獄のような場所だ。
「あれ? まだ高所恐怖症を克服できてなかった? じきに慣れるよ」
ソファに座った新谷がテレビのリモコンを操作しながらこちらに目を向けた。
「この家にあるものは自由に使っていい。室内設備に不具合があればコンシェルジュに言えばいつでも対応してくれるよ」
「本気なんですか? 本気で私をここに置くつもりですか……?」
「だって、その方が仕事にも都合がいいだろ? 毎日の送り迎えの手間も省けるし」
「……前にも同じようなことがあった気が」
「なに? あ、もしかしてまた両親に説明に行った方がいい?」
「いえ……今は、一人暮らしをしているので……」
大学進学と同時に家を出た私は、就職して戻ってきたけどそのままこの地で一人暮らしを続けている。
新谷は部屋の入り口で立ち止まったまま足を踏み入れない私に向かって「入れば?」と言った。そして躊躇している私に向かって続けてこう告げた。
「真由子、ノド乾いたな。コーヒーにしようかな」
「……はい?」
「自由に使っていいって言ったよね。キッチンはそっちだから」
「……それは」
「業務命令です」
「……っ」
口の端を上げじっと私の反応を伺う新谷から目を逸らしダイニングへ向かう。やっぱり……新谷は新谷だ。高校時代(あのころ)と何も変わっていない。
ガラス素材、白、黒、グレーを基調としたモダンな雰囲気のインテリアで飾られた明るく広々としたリビングダイニングは、部屋の奥一面はガラスのカーテンウォール。一面に高層階から望む都心の大パノラマが広がっていた。足が震えてきた。何ここ……すごいマンションなのは一目見て分かるけど、私にとっては地獄のような場所だ。
「あれ? まだ高所恐怖症を克服できてなかった? じきに慣れるよ」
ソファに座った新谷がテレビのリモコンを操作しながらこちらに目を向けた。
「この家にあるものは自由に使っていい。室内設備に不具合があればコンシェルジュに言えばいつでも対応してくれるよ」
「本気なんですか? 本気で私をここに置くつもりですか……?」
「だって、その方が仕事にも都合がいいだろ? 毎日の送り迎えの手間も省けるし」
「……前にも同じようなことがあった気が」
「なに? あ、もしかしてまた両親に説明に行った方がいい?」
「いえ……今は、一人暮らしをしているので……」
大学進学と同時に家を出た私は、就職して戻ってきたけどそのままこの地で一人暮らしを続けている。
新谷は部屋の入り口で立ち止まったまま足を踏み入れない私に向かって「入れば?」と言った。そして躊躇している私に向かって続けてこう告げた。
「真由子、ノド乾いたな。コーヒーにしようかな」
「……はい?」
「自由に使っていいって言ったよね。キッチンはそっちだから」
「……それは」
「業務命令です」
「……っ」
口の端を上げじっと私の反応を伺う新谷から目を逸らしダイニングへ向かう。やっぱり……新谷は新谷だ。高校時代(あのころ)と何も変わっていない。