相容れない二人の恋の行方は
「じゃ、じゃあ元いた会社に戻してください」
「それは無理だね」
「じゃ、じゃあせめて……元のお家に帰してください」
「だめ」
「……言っても、意味ないじゃないですか」
「そんなことない」
「……は?」

 ……なにがしたいのかさっぱりなんですけど。納得のいかない表情と態度でじっと新谷を見据えると、意地悪な笑みを見せた。

「ま、聞いたところで聞き入れられるかられないかの判断をするのはボクだけどね~」

 そう告げると怒りに震える私を無視して、新谷はマイペースに部屋の中を移動する。そして部屋の出入り口に立つと「出かけようか」と言った。そんな新谷に向かって少しきつめの口調で言葉を返す。

「あの、学院に行かなくてもいいんですか? お仕事は?」
「今日は土曜だよ。学院は土日祝日休み。会社員の真由子と一緒だよ」
「……あ、今日土曜日なんだ……」
「ほら、どうする? 準備があるなら待つけど?」
「いえ、すぐに出られます……」

 今嫌なら嫌とはっきり言えと言われたばかりだけど、外に出かけること自体は嫌じゃなかったから私は素直に一緒に外へと出た。

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