相容れない二人の恋の行方は
 休日の正午前。マンション周りに大きな建物はないけど、駅に近く周りにオシャレなブティックや雑貨屋、カフェなどが立ち並んでいるため人通りは多かった。休日にも関わらずスーツを着たサラリーマンをちらほら見かけるところから、さっき新谷がマンションの住居部分から下がオフィスになっていると言っていた通りそこで働くサラリーマンたちだろう。休日出勤……か。休日の今日、こうして新谷に付き合って外に出ている私も休日出勤になるのだろうか。

「どこへ行くんですか?」
「別に。ちょっと辺りを案内しておこうと思って」

 マンションから徒歩で三分ほどの距離にあるコンビニの前を通りかかった時だった。

「ここがウチから一番近いコンビニで……ん?」

 新谷は洋服の後ろポケットからスマートフォンを取り出すと「まなみだ」と呟いた。でも応える様子もなくスマートフォンを再び元に戻そうとしたため声をかけた。

「出ないんですか?」
「どうせ見合い話の報告……」
「だったら! 聞いてくださいよ。どうなったのか気になるじゃないですか」
「ほんと……君たちどうなってんの?」

 新谷は私の訴えに疑問を浮かべながら、仕方なく電話に出た。
 話の内容が気になるけど、聞き耳を立てるのは失礼だと思って少し距離をおいたところで電話が終わるのを待つ。

「……真由子?」

 その時、突然背後から声をかけられて、びくっと肩を震わせてから振り向いた。
 コンビニの袋を提げたサラリーマンが二人、私の前に立っていた。内一人には見覚えがあった。

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