相容れない二人の恋の行方は

15 淡い憧れも…

 高校まで田舎で育った私は勉強が第一で、オシャレに目覚める年頃であっても自身の身なりには興味関心がなかった。都会に出て栄華に編入しても、周りの生徒は自分とは同い年とは思えないほど高貴で華やかで美しい人ばかりで、影響を受けて感化されるどころか圧倒されっぱなしで、自分とは生きる世界が違う人たちだと納得して努力するどころか彼女たちに近づこうと思うことすらできなかった。
 それも大学に進学したらがらっと世界が変わった。大学での出会いやアルバイトやサークルでの出会った新しい友人たちを通じて人並みにファッションやメイクに興味を持つようになり、着飾って、少し胸を張って歩けるようになると今までの自分とは少し違う、生まれ変わったような気になった。
 するとそれまで身なりと同じく興味のなかった恋愛も、次々と恋をしていく友人たちを目の前にして、少しだけ憧れを抱くようになっていった。

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