隣のオオカミくん。
まさか本気にした訳じゃないよね。
何て笑っていると、
オオカミくんがコチラに迫ってくる。
「…授業中…」
「本読んでた奴が何言ってんの?」
まるで獲物を狩るような
鋭い瞳でコチラを見つめてくる。
何がしたいのか、オオカミくんは
私の耳元まで顔を持ってくると
フッと息を吹きかけた。
「ひゃ…」
突然だった事もあり、思わず
変な声が漏れてしまう。
教室の皆がコチラを振り向いた時には
オオカミくんは元の位置に戻っていた。
「ホント有り得ない…」
ボソッと呟いたつもりなのに、
オオカミくんは私の太ももに触れて
「そっちがな」
と悪戯に微笑んだ。