姐御な私と無口なアイツ。
玄関を出ると、そこには人影が。これはまさか……。
「──涼介」
若干驚きつつ、私は声をかける。
涼介はいつも通り、ちらっと私を見てまた前を向いた。
でも、歩くスピードがすこし遅くなったから、合わせてくれるつもりなんだろう。……むかつく、追い抜かしてやろうか。
でも走ったら目眩がひどくなりそうだったので、諦めてその隣に行く。
……珍しいな、いつもは時間帯違うのに、二日も続けて会うなんて。
思いつつ、けれど不審には思わずに歩き続けた。
「麻奈……」
「なに?」
突然名前を呼ばれ、私はぎょっとする。
「……大丈夫か」
「は?」
涼介から発せられた意味不明な言葉に、私は戸惑った。
何、そんな無表情で突然そんなこと言われても、若干不気味なんだけど。