姐御な私と無口なアイツ。
距離が、近い。
少し驚いたように私を見下ろす瞳が、すぐそこにある。
「……ほら、熱あるんだろ」
しばらくして、涼介が口を開いた。
何も言えない私の額に、涼介のごつごつした大きな手が触れる。
「……熱いぞ。もう帰れって」
熱いのは……この距離のせいもある気もするんだけど。
「ここんとこずっと、お前が寝てないことくらいわかってるんだよ」
そして今度は、目の下辺りをそっと撫でられる。
「ここ、クマできてた」
……なんで、そんなこと気付いてんの。
確かにここんとこ、課題とか小テストとか立て込んでて、部活も遅めだったから、寝れてないとは思ってたけど。
昨日も委員の書類と数学の勉強したんだし。
「帰れ」
涼介の声が、まっすぐに響いてくる。