姐御な私と無口なアイツ。
がっくりとした私は、ホームのベンチの端っこに腰をおろした。
同じように着いてきた涼介は、しかし座ることはせず、少し間を開けて隣に立つ。
言葉も発せないほどにゼェゼェしている私と対照的に、息一つ切らしていないあいつが恨めしい。
……こいつは、私の隣の家に住む、腐れ縁の幼なじみ。
高校も一緒で、去年は違かったけど、今年はクラスまで一緒だったりする。
私は息が整わずまだ言葉が出せないのに対して、涼介はしれっとした顔をしているのにも関わらず、何も言ってこないからそこには沈黙が。
……相変わらず、涼介は無口だ。
私は深呼吸に紛れて溜め息をつく。
口数も少なく、表情も乏しく、たまに口を開いても無愛想。
全く……出会ったときから、こいつは変わっていない。