クール上司と偽装レンアイ!?
「すみませんでした。新しい部署では穏かになるよう努力します」

「いや、今のままのがいいと思うぞ」

「え?」

怒りっぽいのはまずいんじゃ……。

「いつも同じ顔でニコニコしてるよりは自己主張出来ている今の方がいい。ちょっと前までのお前何考えてるのか分からなかったからな」

「……え?」

思ってもみなかった事だった。私が分かりづらいと思われていたなんて。


「まあ俺だから相手出来たんだろうな。周りも近寄りがたくて、それで飲み会ではいつも俺の隣だったんじゃないか?」

「それは……」

少し違うような……酒に呑まれる別府課長の隣を皆が嫌がったからでは。
でもそんな事をはっきり言えるはずもなく黙っていると、別府課長は得意気に言った。

「お前みたいなのと楽しく話せるのは俺くらいだからな」

「……」

「何だよ、ショック受けてんのか?」

「いえ、大丈夫です」

「そうか。まあ新しい部署では今のお前で行けよ」

「はい」

「優秀な若手社員が欲しいって言われてお前を出したんだから、期待を裏切るような真似はするなよ」
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