クール上司と偽装レンアイ!?
「あの人も相当なストレスを溜てるみたいだから、あれが気晴らしなんじゃないか？ 」

確かに……別府課長は私達購買部の窓口となって他部署からのクレームを受けたり、交渉したりで大変だとは思う。

でもやっぱりさっきみたいなのは嫌だ。

そんな気持が顔に出てしまったのか、神崎さんは困った顔をして言った。

「言わなきゃ良かったな」

「え？」

「真壁に付き合ってるなんて嘘言わなきゃ良かったな。あの時は藤原と噂になるよりはいいだろうと思ったけど、広瀬さんにとっては良くなかったな」

「え、そんな事ないです」

良くないなんて、一瞬だって思わなかった。

「でも、別府課長のひやかしも流せないくらい気にしてるんだろ？」

「それは……」

確かに適当に流せないけど、でもそれは私の気持ちが本物だからだ。
ついむきになってしまう。


私、神崎さんともっと近付きたい。

本当に付き合っていたのなら幸せなのにって思う。

この気持、神崎さんに言ってしまおうか。

告白なんて出来ないって思っていたけど、気持がどんどん大きくなって苦しくて仕方ない。

素直に想いを伝えたい。
< 61 / 222 >
表紙・目次

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop