クール上司と偽装レンアイ!?
私って本当に駄目だなと思う。

自分の気持一つちゃんと伝えられない。

……今からでも間に合うかな?

分からない。

けど間に合わなくても黙ったままじゃ今までと変わらない。

「私……神崎さんが気になり始めたきっかけは夢だった。でもそれだけで好きになったんじゃないんです」

神崎さんは無表情で、今何を考えてるのか分からないけど、私の話をしっかり聞いてくれている。

「いつも、困った時にさり気無く助けてくれたでしょ? そのたびに少しずつ好きになっていったんだと思う」

「別に大した事はしてないだろ?」

「私にとっては大した事だった。神崎さん仕事では厳しいけど、いざと言う時は手助けしてくれて。別府課長に絡まれて皆が見てみぬ振りをしてる時も助けてくれたし……真壁さんの時だって……」

一つ一つは小さな事でも、私にとって恋に落ちるには十分過ぎる事だった。
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