復讐ストーカーゲーム2
霰はそのまま逃げようとしたが、私は立ち止まり振り返った。


写真撮影したとなると話は別だ。復讐執行人でもある以上、細心の注意を払いたかった。


シルバーのコンパクトカメラを持つ黒縁眼鏡に近づこうとした。その間にもこの男は、シャッターを押す手を止めなかった。


「止めなよ。ほっときなよ、霙!」


霰は肩を掴み、私の前に出た。すると男は満足したように、デジカメのシャッターを連続で切った。


「君が片割れの双子かぁ~オレッチは、おしとやかな霰ちゃんがタイプなんだよ。綺麗だ! とっても綺麗だ!」


霰は手の平で目元を隠していたが、それでも蛇田は止める気配はなかった。撮影しながら会話も出来る、この状況に逆に鼻息を荒くしていた。
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