復讐ストーカーゲーム2
 霰は、まだ呆然と生田馬謖とやらを見詰めていた。


――駄目だこりゃ……!?


「美人の双子ちゃんたちは有名だよね。まさかゲームセンターにいるとは思わなかったよ。

そっちが霰ちゃん……なんだね? 怪我は無かった? 大丈夫?」


「はっ! はい! ありません! ……あっ、あのっ! このお礼を私、しないと――」


男の人の前で、こんなに滑舌の悪い霰は、生まれて初めてのことだった。


――まさか恋したんじゃ……あっ、心臓が早くなっている。


たまに霰の感情みたいなモノが、体に伝わることがあった。そういった事態になるのは、いつだって強い思いがある時だった。
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