君の王子様になるために
俺の願いが通じたんかな?
「分かった…」
周りの煩さに消されそうな声が耳に届いた。
きっとこれが最後のチャンスや。
恋愛の悩みは他人が思ってるより
本人にとってはずっと苦しいもの。
俺はそれを弥生ちゃんを好きになって初めて気付いた。
そして、側に居てくれる喜びも。
その反対も……。
でも小林ちゃんはまだなんも始まってへん。
だから、こんな簡単に終わらしたあかんねん。
せっかく好きになったんやろ。
絶対、その気持ち大事にせなあかんよ。