たったひとりの君にだけ

「そうなんですか」

「どれもそこそこ美味しいんだけどね、目玉が飛び出るほど、っていうのは出会ったことないな。言うなれば今日のお店みたいな感じかな」


それこそ、まるっきり高階理論が当てはまる。

過去にはサイドメニューの方が美味しい店もあった。
勿論、メイン以外にも力を注ぐ姿勢は素晴らしいけれど、ラーメン屋で一番印象に残ったのが杏仁豆腐じゃ、いくら美味しくても残念である。


「まぁ、絶品なんて、なかなか出会えないから絶品って言うんだよね。気長に待つわ」


人生、先は長い。

私が出会ったラーメン屋なんて氷山の一角。

これからだ。
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