たったひとりの君にだけ

すると、冷たくあしらったにも関わらず、高階君はあからさまにほっとした表情を見せた。


「……ですよね」

「当たり前でしょ。私は今のところ日本で生きていく予定。何か大層なことが起きない限り、この島国を離れるつもりはないわ」


英語は話せる。
フランス語もある程度話せる。
何故かこっそりドイツ語かポルトガル語にも足を踏み入れようと思っている。

海外移住をしても、きっと言葉の壁はそれほど感じずに暮らしていけるだろう。

つまりは。
心機一転、働き過ぎの日本を離れることは実質的には不可能じゃない。

それでも、今現在、私にはその気は微塵もない。
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