たったひとりの君にだけ
なんなのその繋がりは!
「……もうっ、なにそれ!ありえないんだけど!」
「でもそれは単なる偶然で、」
「それでもっ!その眼鏡が高階君の友人だとしても!どうして私の顔がわかるのよ!」
食って掛かるなんて私らしくないし、感情的になったって事件の全貌も解決策も何一つ見えて来ない。
けれど、出来ることなら昨日までの自分に弁明したい。
今、この状況では、勢いに乗って根本の疑問をぶつけるのは自然なことで。
何度も同じ台詞を言っちゃうくらいに、らしくもなく混乱してる。
だってありえないでしょ、どうしてわかるのよ!
「……あ、あの、それは~」
「なにっ!ハッキリと!さぁ!」
まるで、忙しさのあまりイライラしているときに、もごもご喋る子供に話しかけられたような。
もしくは、失態に対する会見を開きつつ、結局は自己保身の言い訳ばかり並べる著名人を見たときのような。
つまりは道端で晒すような光景じゃない。
しかも、雪は降らずとも真冬の1月、寒空の下。
気温はどんどん下がっていく。
私、低体温で冷え性で寒がりなんだから早くしてよ。
すると、願いが通じたのか、高階君は観念したようにボソッと語り始めた。
「……あの、あ~、それは写メ見せたからで……」
「は?写メ?」
「へ、へい」
「へい、じゃないわ!どういうこと!まさか盗撮!?」
「そんな人聞き悪い……」
「人聞き悪くもなるわ!ちゃんと説明しなさいっ!」
我を忘れる。
いや、正しくは、数分前から既に手遅れなんだろうけど。
でも、焦るのも無理はない。
だって本当に、彼が言うように、知らず知らずのうちに私が私だとわかるような写真を撮られていたんだとしたら、記憶の中ではあの日の寝顔しか考えられないのだ。