たったひとりの君にだけ

「あ、多分、その台詞も決め手かなぁ。芽久美さんがラーメン好きだって教えてたから、それも踏まえて疑惑が確信に変わったというか」


もういいです。
もう充分です。

もう聞きたくありません!


「もうやめてよ!恥ずかし過ぎるんだけど!二度と行けないんだけど、あの店!」


と言っても、野口英世を叩き付けて大声を発した時点で、私はもうあの店には行けないとわかっていたけれど!

つまりは自主的出禁なわけで。
あのコーヒーをもう一度味わいたくても、無礼を働いた私が再来店する選択肢はありえない。

間違ってもあの店の前を通れない。
向こう斜線にも渡れない。

絶対聞き耳立てられてたでしょ!


「もう~…」


頭を抱えてしゃがみ込みそうになる。
思いっ切り項垂れる。

失態だ。
失態も失態だ。
今世紀最大の失態だ。


「元気出して下さい」


お前が言うな!
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