たったひとりの君にだけ

今日はラーメンを食べるのが目的じゃなかったんですか。

私を驚かせるのが目的だなんて聞いてませんけど。


寝耳に水だ。

世間ってこんなに狭いものなの!?


すると、半ば呆れ顔の私に気付いたのか、高階君は『大丈夫ですか~?』と手を小刻みに振りながら、能天気に聞いて来る。

彼はどこまで平和ボケしているんだろう。


「じゃあ、話戻しますね。で、ばあちゃん、喜んでました。東京にも親切な人がいるんだなって。ちなみに、芽久美さんが707号室に住んでるのは、その出来事のあとに偶然部屋に入るのを見たから知ってました。あと、名前は、間違って俺の郵便ポストに芽久美さん宛ての封書が入ってて、それで確認しました。あ、ちゃんと入れ直しておきましたから!」


そこは別に疑ってない。
そんな人の道を外れたことをするとは思ってない。

この2ヶ月弱の間で、何も見て来なかったわけじゃない。
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