たったひとりの君にだけ

「……化粧室行って来る」


今もなお、繰り返されるくだらない会話を横に、私は腰を上げた。


「場所わかるか?案内するか?」

「聞くからいい」


バッグを手に部屋を出ようとする。


「早く帰って来いよ~」


御猪口を片手に暢気な声を発する。

睨みを利かせて扉を閉めた。


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