たったひとりの君にだけ
半ばどころか本気で呆れながら、私はモニターの通話ボタンを押した。
「……早いよ」
『こんばんは!』
私の声は聞こえていないのか。
『急にすみません』
自覚はしているらしい。
それなら許してあげようじゃないか。
「……別に。なんか慣れてるからいいです」
『え?』
「なんでもない。今開ける」
そう言って、私は玄関に向かった。
私も大概甘いなと思う。
しかも、相変わらずのスマイルは、鬱陶しいより落ち着くのは何故だろう。
「……は~い」
だけど、そんな感情に目を背けながら、私は重い扉を開けた。
「お久し振りです、お忙しいところすみません」
忙しくはないです。
料理してただけです。
「大丈夫だけど」
「そうですか?あ。はい、これ」
そう言って渡された紙袋。
受け取るとずっしりと重みを感じた。
「なに?」
「えっと、いろいろですね、ほんといろいろ。お楽しみ袋だと思って下さい」
私は子供か。