たったひとりの君にだけ
そして、なかなか返事が聞こえて来ないことにも、私は逃げ出したくなってしまうから。
YES or NO。
たったそれだけでいいのに。
やっぱり言わなければよかったと後悔する私は、周りからすれば短気にしか見えないかもしれない。
「……まぁ、無理にとは言わないけど」
「是非!」
それでも、彼は。
自分から近付いたくせに、たかだか数分で心変わりしかけた私を。
思わず耳を塞ぎたくなるほどの大声で引き止めた。
「是非、ご一緒させて下さい!」
「う、うるさい……」
思わず右耳を塞ぐ。
だけど、相変わらずの悪態をつきつつも、内心ほっと胸を撫で下ろしていた。