想い続けて。

次の日

由紀は窓辺のいすに座り、ぼんやりと夜空を眺めていた。曇り空なのか、星は見えず、かわりにどこまでも黒くもやもやしている。

「返事、待ってるから」

今日学校で、移動教室の前に、祥平の後ろから話しかけた。

「え?なんの?」

祥平は、まるで訳が分からないという顔をする。その表情からは、ふざけているわけでなく、本気で何のことなのか分からないと様子ざ見て取れた。

思わず固まる。そうしている間にも、祥平は、さっさと授業の準備をすませ、教室を出て行ってしまった。後ろ姿を追う気力もなく、由紀も授業の準備をし、重たい足を引きずって教室を出た。

< 4 / 4 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop