平等主義彼氏の彼女の苦労
一旦女子トイレに避難して、呼吸を整える。
あ~あ、なにやってんだろ、私…
迷惑かけないようにって、今までの頑張って堪えてたのに。
記念日覚えててくれただけでもいいじゃない。
そう思いたいのに、思えなかった。
記念日だって覚えていながら、他の女の子と約束してるからデートできないなんて、残酷すぎるでしょう?
そのとき、追い討ちをかけるように、女の子たちの声が聞こえてきた。
「ねえー、聞いた?
さっきの昼休みに、三組の篠田さん染田君にデートの申し込みして断られて、逆ギレしたらしいよ~。」
「うわあ、イタイ(笑)
ていうか、染田君同じクラスの結城麻友と付き合ってるでしょ?」
「それが篠田さん、染田君の元カノなんだって!!」
「それで逆ギレ!?
身の程知らずもいいところでしょ。
染田君が大変だね。
優しいからフリ切れないんだろうなあ。」