Under The Darkness




「父さんも良い案を持ち出しましたね。私も一緒というのなら、大阪行きも文句は言いません」


 京介君はうんうんと頷きながら、私の隣で納得顔だ。

 私も、ひとりより安心だったからそれでいいと思った。


 だけれども。


「じゃあ、大阪帰るって悠宇に連絡してええやんな?」


「……なぜそうも彼と連絡を取りたがるんですか。貴女は」


 え? と、私はびっくりする。

 満足げな顔が、一気に不満全開なしかめっ面になったから。

 眼鏡の奥の双眸が、瞬く間に冷ややかなものへと変わり、驚いた私の心臓がキュッと縮み上がった。

 京介君は、纏う雰囲気が怖すぎるんだ。

 一般人な私は、さすが極道の息子だと変なところで納得してしまう。


「貴女はその悠宇とやらのことが好きなんですか。まさか……彼氏とか?」


 すっと眇められた目が、探るように私を貫く。

 まるで、怒ってるような顔。

 また京介君から目が離せなくなる。

 蛇に睨まれるカエルの気持ちがよくわかった。

 でも、私だって負けてない。

 私は睨まれて食べられるだけの大人しいカエルじゃない。

 私だって、実は蛇なのだ。



 私は額に血管を浮かせながら、すうっと大きく息を吸い込んだ。

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