Under The Darkness



「……お願い、お父さん」


 小首を傾げ、私は昔見たドラマの『お父さんに甘える娘』役の女の子を真似てみた。

 出来ればやりたくなかった捨て身の必殺技。


「はうぁっ! 可愛いっ」


 悶えまくるお父さんに、心の中で『ごめんなさいごめんなさいっ』と、謝る。


「……あかん?」


「うぅ、じゃあ……仕方ないから京介を護衛にしたら」


 お父さん、あと少しで陥落か!? って感じだったのに、京介君の名前を出してきた。

 私、過敏に反応してしまう。


「それはあかん! ケンカ中やねん! 一生口聞かんって決めたんやから、ダメ!!」


「え、そうなの? んー、困ったなあ。どうしよう。あ、そうだ。わたしがそこにいけばいいのか。一緒に住めばいいよ、うん」


 ナイスアイディア! とばかりに、お父さんは嬉々と提案してくる。

 私の笑みが引き攣った。


「か、考えとく。そんならいいん?」


「わたしがいれば無敵だからね」


「じゃあ、京介君には言うたらアカンよ? 言うてもうたら、一生口聞けへんで? 舎弟さん達にも私の居場所言うたら怒るからね?」


 わかった? と、ちゃんとそこは釘を刺しておく。


「うん。黙っとく。墓場まで持ってくから安心して」


「ありがと! お父さん!」


 ヤッタ! 私は最強の協力者を得たと、お父さんに抱きついた。


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