Under The Darkness




「く、ふふっ、意地っ張りやな、自分」


 爆笑する私に、京介君、愁眉を開いてフッて笑った。

 私に笑うなって注意するの諦めたような、仕方ないなって顔で、諦めの中に僅かな優しさが混じる――京介君、そんな風に片唇だけで微笑んだんだ。


 そんな顔されたら、私、期待してしまう。

 このまま普通の姉弟みたいになれたらいいなって。
 憎しみを今は消せなくても、一緒にいるうちにいつか薄れていって、ドラマであるような家族みたいに、最後には仲良くなれるかもしれないって。
 想像して、さらに笑みが深くなる。


「いいのか?」


 唐突な確認の声に、「なにが?」と、笑み顔のままきょとんとなる。


「指差して笑うのは良いが。見えてるぞ」


「え?」と、京介君が指差した先を目で追って、ギョッとした。


「胸」


 視線を下げたら、シーツの隙間から片胸がぽろんってなってた。頭が真っ白になる。


「ひ――っ! ナシや! 今のはナシ!! 記憶から抹消して!」


 ぎゃ――って声を上げて、手元のシーツをかき集める。

 モコモコになりながら、じっとりと京介君を睨んだ。

 今見たこと全て忘れろ忘れろと念じながら。

 京介君、ゆるりと頭を振って、


「脳裏に焼き付いた」


 なんて、にやりと人の悪い笑みを浮かべながら意地悪な言葉を吐く。

 私はまた、ぎゃ――ってなる。


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