Under The Darkness




 
 私が被害に遭うことを警戒したママは、今までしていた夜のお仕事を辞めて、住んでいたマンションも売り払い、私が高校に上がるまで、ずっと。

 レジのバイトをしながら、私が狙われないように傍で守ってくれていた。どこに行くにもついてきてくれた。

 それでも、被害が目に見えて減ったわけじゃなかった。


 そんなことが何度も何度も繰り返される度、教師や警察、病院の医師までも。

 貴女に隙がありすぎるからでは? 誘っているような仕草、服装をしているからでは? ウリでもやっているのでは?


 嘲笑と嘆息混じりにそう言われた。


 痴漢した容疑者の親が家まで謝罪に来た時も。

 最初はママに頭を下げて謝ってたのに、途中から、


『子供の癖に大人びた容姿してからに。甘えた顔でもして息子を唆して誑かしたんやろが! うちの子は子供に悪さするような変態ちゃうんや! れっきとした公務員やねんで! 水商売で子供養ってるアンタんところみたいなんとちゃうんや!!』


 私だけでなく、ママまで否定されて、私、悔しくて、哀しかった。

 ママ、そのおばあちゃんのこと、ばしって叩いて、


『ふざけんな!! それ以上言うな! 娘傷つけられてもう黙っとれんわ! 息子の変態をうちの娘のせいにする、親のわたしのせいにする、あんたらは根性腐っとる! 話にならん! おとといきやがれ! ド阿呆がっ!!』


 そう言ってママ、追い返したんだけど、私、あのおばあちゃんの言葉が頭から離れなくなった。

 それからも、同じようなことが続いた。

 だから、余計に思った。

 私に、明確な原因があるんだと。


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