Under The Darkness





 もうええ? 話すん終わってええ?


 もう一度目で訴えてみる。

 でも、じっとりと見据えられたまま、否は許さないとばかりに睨まれる。


「アイツ、とは?」


 ――話せ。


 その要求に、私、グッと唇を噛んだ。

 頭痛がしてくる。身体が話すことを拒否していた。

 溜息を吐く。早くこの尋問を終わらせたい一心で、私はゆっくりと口を開いた。


「……一番怖かったんは、私が病院送りにされてもうたんは、あれは、中学校に入ってすぐ、」


 ゾクゾクと背中に悪寒が走る。

 同時に、肌が焼け付くような熱を持ち出す。


 ――まるで、赤い焔が肌を舐めるように。


 目の前に焔が広がったような錯覚に襲われて、言葉が喉の奥で詰まってしまった。


「……美里さん?」


 ガクガクと震えだした私に、京介君が私の肩を掴んだ。

 そのとき、扉のノック音が室内に響いた。

< 91 / 312 >

この作品をシェア

pagetop