Under The Darkness




 乱暴なセリフかもしれない。

 けれど、私の行為を許容してくれる言葉にホッとした。

 否定ばかりされていたから。

 ママも、悠宇も、こんなんしたらアカンって、口を酸っぱくなるほどに言って、そして、哀しげな顔をする。

 それが、私には辛くて。

 でも、私には止める術がないんだ。

 お風呂に入って、『綺麗にしなきゃ』ってそのことだけに頭が支配されて、気が付いたら、手にしたスポンジは真っ赤に染まり、浴槽は血だらけになってる。

 それを止めることは、私には出来なくて。

 だから、余計に落ち込んでしまう。

 でも、栞ちゃんはいつも、いかなる時も、私のすることを許容してくれる。

 もちろん、苦言もあるけれど、それでも、許してくれるんだ。

 そんな栞ちゃんは、私にとって悠宇と同様、なくてはならない存在だった。


「栞ちゃん……大好きっ!」


 ガバッと栞ちゃんに抱きつく。

 男ふたりの「うっ」という呻き声が聞こえたけれど、いいんだ。栞ちゃん、大好き。

 栞ちゃんは私を抱きしめながら、顔を京介君の方へと向けた。

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