この恋、国家機密なんですか!?


ホテルの前でタクシーを拾い、青空ツリーへと急ぐ。

急いで持ち出したバッグが食パンの点数シールを集めてもらえるトートバッグだということは、この際気にしないでおこう。

添乗員の事情は、お客様には関係ない。

お金を払ってもらっているのだから、いい思い出を作って帰ってもらいたい。

私はタクシーの中からマキさんに電話をかけ、ツアーの概要を聞く。

やがて青空ツリーが見えてきたころ、しまっていたはずのスマホが震えた。

びくっとして画面を見ると、そこには知らない番号が。

高浜さんかもしれない。

直感でそう思った私は、留守番電話サービスにお任せして、ツアーとの合流地点に急いだ。

タワーを見学して、各自自由に昼食。

2時まで周辺施設の自由行動だから、それほど忙しくないはず。

そこからなぜか浅草に行って、夕方にはホテルに送り届ける。

夕食が始まるころには、長野支社から他の添乗員さんが来てくれるという話だ。


すみません、高浜さん。

ごめんなさい、宗一郎さん。

ちょっとだけ、お仕事してきます。


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