この恋、国家機密なんですか!?


青空ツリーの足元で、私は無事にツアーに合流した。

妊婦だという添乗員さんは青い顔でフラフラしていたけど、自由行動のために解散するまでは、笑顔を崩さなかった。


「はぁ……すみません……私バカですよね……」

「仕方ないですよ……」


引き継ぎついでに話を聞くと、どうやら予定外の妊娠だったから、余計に慌ててしまったみたい。


「こちらは大丈夫ですから、ちゃんと病院に行ってくださいね。お大事に……」


そう言うと、彼女はホッとしたように笑った。

かと思うと、次の瞬間には泣き出して、何度もおわびを言いながらタクシー乗り場に向かっていった。

きっと、彼女だって、自分の仕事は最後までやりたかったんだろうな。


「よーし、がんばるぞー」


私は気合を入れ、散っていった団体さんを見守るべく、歩き出した。

途中、次の行先で寄るお土産屋さんに、時間と人数の確認の電話をかける。

そのとき画面にずらりと着信履歴があったけど、私は見ないふりをした。


「夜には戻りますから……!」


スマホに向かって謝ると、再び歩き出した。


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