この恋、国家機密なんですか!?


「さて、そろそろレストラン街に行ってみましょうか」

「私、テレビでやっていたタワー丼っていうの見てみたいわー」


それって、海老天とかをご飯の上にうずたかく積んだ、あれだよね。

美味しいけど、なにしろ量が多くて、食べきるのにすごく苦心する。

でも、それも旅の楽しさのひとつかも。


「それでは、一度タワーの外に出ないといけませんね。他に行きたい方はいらっしゃいますかー?」


エレベーターの前でそれぞれの希望を聞き、お店の方に希望のこちらの人数が一度に入れそうか確認電話をしようと思ったとき……。


──ポーン。


下の階から上がってきたエレベーターがついた音がして、一度お客様を脇に寄せる。

やがて扉が開き、そこから出てきたのは……。


「……!!」


私が息を飲むと、むこうも一瞬目を丸くした。

それは、まぎれもなく……

宗一郎さん、だったから。

そして、隣には背の小さい、若い女の子。

多分、20代前半だ。

肩までの茶髪をくるりと巻いて、小さな顔がますます小さく見える。

ひかえめな顔のつくりではあったけど、なんとなく可愛い雰囲気の子だった。

どくんどくんと、胸が大きく波打つ。

さっき見たのは、やっぱり幻覚なんかじゃなかったんだ……。



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