この恋、国家機密なんですか!?
どくんどくんと、心臓がうるさく鳴る。
宗一郎さんの婚約者さんの詩織さんは、5年前、私と同じような被害にあっていた……。
そういうことだよね?
「そのとおり」
「……そして彼女が都庁に勤めていることを知っていて、立てこもったわけだ」
「そうだ。彼女は美人で、悲劇のヒロインを演出するには適任だったからな。そして、お前の婚約者だった」
そんな……。
悲劇のヒロインを演出するって、彼女はどんなひどいことを……。
「……だから……」
宗一郎さんの声が、低く震える。
「だから、詩織を殺したのかっ!!」
……ころ、した……?
まさか、まさか……っ。
「俺の婚約者だから、あの場で詩織を殺したのかっ!最初から、警察に見せつけるつもりで────」
……冷静だった宗一郎さんは、もうどこにもいなかった。
「そうじゃない。警察が我々の要求を飲めば、彼女も他の人質も、解放してやるつもりだった。恨むなら、お前の父を恨むんだな。彼女を息子の婚約者だと知っていて、救わなかったのだから」